技術職を目指す大学生が学ばなければならない 技術者倫理 その4
技術者が技術者倫理に沿った行動をとるためにはどうしたらいいか?
今回は具体的事例を解説しながら、
技術者は技術者倫理を踏まえてどう行動すべきか?考えていきます。
土木技術者倫理規定を元に考えてみる
建設技術者として技術者倫理を踏み外すとどうなるか考えてみます。
建設の職業団体として古くから技術者倫理を考えてきた土木学会を例に具体的事例で考察します。
まず、土木学会の倫理規定「土木技術者の倫理規定」を解説します。制定の背景を記した「前文」と土木技術者の使命を15つの「基本認識」からなります。基本認識は要約すると次の6項目にまとめられます。
- 使命・役割(美しい国土、安全・安心な生活、豊かな社会を作ることで社会に貢献する、依頼主の誠実な代理人・受託者として行動する。)
- 自律性(自己の信念と良心に従って行動する)
- 誠実性・公平性
- 継続教育・人材育成
- 説明責任・情報開示
- 法令遵守・率先模範
これらの基本認識をもとに、具体的事例から倫理問題への対処方法を考えてみます。
あるマンションの杭基礎工事において
下請けの専門工事業者の技術担当者Aのとるべき行為について、
倫理観ある行動をためには、次の4つのステップに従って考えていきます。
- ステップ1 問題の認識
- ステップ2 事実関係の整理
- ステップ3 倫理問題の特定
- ステップ4 具体的行為の選択
今回はここまで、
次回は4つのステップを踏みながら具体的に考えてみましょう。