5S活動の手順(4)整頓活動の手順 その2

今回は整頓活動の後半として、整頓レベルと管理方法について解説していきます。

そして、整頓活動における5Sチェックシートの活用方法についても解説します。

具体例として、作業机の上の工具について整頓、

二つ目の例として、書類の整頓について

どんな工夫をするか、具体的に見てみましょう。

工具の例 レベル0    未整頓

机の上がこんな状態です。

スパナとドライバーが乱雑に放置されたこんな状態は、

整頓されていない状態、レベル0です。

工具の例 レベル1  グループ整頓

少し片付けることで、このくらいになります。

放置されていた工具をグループ分けして、それぞれの工具箱にしまう。

これだけで、十分に探す手間が省けます。

これは「容器管理」にあたり、レベル1の状態です。

工具の例 レベル1+α    グループ整頓

容器管理にちょっと手を加えます。

分別箱を工具ごとに色分けします。

工具もそれぞれの色のテープを貼ります。

返却するときに、直感的にどの箱にしまうかわかります。

これが容器管理から一歩進めた「色別管理」の方法です。

工具の例 レベル2  文字情報の確認

次のレベルは、机の上に置きません。

机は作業する場所なので、

道具は、机のそばの壁に置くことにします。

道具の種類がたくさんになると色別管理は難しくなります。

そう言う場合は、文字情報で管理します。

モンキーレンチの例で解説します。

モンキーレンチをサイズ別に壁に掛け、

モンキーレンチとその置き場にそれぞれラベルでサイズを明記します。

これを「ラベル管理」と呼びます。

この工夫で、置き場所に何が置かれているかすぐにわかるため、

レベル1より作業机の上がさっぱりして、かつわかりやすくなりました。

工具の例 レベル3  形状情報の確認

次のレベルでは、返却時に作業者に考えさせません。

そこに返却せざるを得ない工夫をします。

壁に工具の形跡を明示する「形跡管理」の工夫をすることで、

文字を確認せずに返却できることから、さらに一段わかりやすいようになりました。

続いて、書類の整頓についての例を解説します。

書類の例 レベル0  未整頓

作業机の上に書類が放置されています。

年度ごとの報告書のようです。

作業机は作業する場所です。書類は書類の置き場に移動させましょう。

これでは明らかにレベル0です。

書類の例 レベル1  グループ整頓

まずは容器管理です。

書類棚に移動して、年度ごとに容器に分類します。

レベル1の「容器管理」の工夫です。

これだけでも必要なファイルを探しやすくなりました。

書類の例 レベル1+α  グループ整頓

工具の例と同じように、

容器を色分けする「色別管理」すると、よりわかりやすくなります。

書類の例 レベル2  文字情報の確認

これも工具の例と同様に

内容情報を書類と容器にそれぞれラベルを貼る「ラベル管理」の工夫でレベル2に上がります。

より間違えなく取り出し・返却ができるようになります。

書類の例 レベル3  形状情報の確認

書類の形跡管理です。

書類の場合、形跡管理のイメージがつきませんが

図のように、書類ファイルを月ごとに順序良く並べ、背表紙に斜めラインを入れます。

これによって、取り出した後の返却時に適切な月の位置に戻すことが用意になります。レベル3にランクが上がります。

整頓レベルチェック表

整頓レベルは、いろいろな対象について現状を把握して、

対象ごとに将来的達成すべき目標レベルを設定して、

そこを目指す活動を推進します。

当然ながら限られた時間の中で整頓活動を推進していくためには、

戦略が必要です。

そこで、整頓レベルチェック表を作成して、取り掛かる対象に優先順位をつけましょう。

サンプルを次に示します。

対象ごとに、現場のレベルをレ点で、将来目標を●で表示します。

この表から、仕掛品と梱包材については既に目標レベルに達していることがわかります。

改善すべきは部品です。中でも現場が目標レベルに遠い部品Aは重点管理が必要となります。

整頓チェックリスト

整頓でも整理と同じように5Sチェックリストをもとに整頓チェックリストを作って管理しましょう。

情報を対象とした例で解説します。

この職場では、情報として限度見本と作業日報が存在します。

いつもの5つの観点でチェックしていきます。

まず、限度見本は机の上に材料と一緒に放置されており、隠れて見えません。

そして、汚れて読みにくい状態になっています。

置き方と品質の欄にチェックが入ります。

作業日報は、終業時に記入が必要な書類なのに作業机の上に終日置き放しになっていました。

置き方とタイミングにチェックが入ります。

チェックリストにコメントを残すことで、その後の改善の方向が分かりやすくなります。

以上で整頓活動の手順について、解説を終わります。

次回は次の活動である清掃について解説していきます。

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