5S活動の手順(5)清掃活動の手順

整理、整頓と解説してきましたが、今回は3つめのSである清掃について解説します。

清掃とは?

一般的に清掃とは「掃除する」や「きれいにする」と言った意味ですが、

5Sでは、もう少し深い定義づけをしています。

清掃とは、必要なものの異常を除去し、異常を発見しやすい状態にすることです。

清掃の本来の意味である、「きれいにする」ことは「異常を除去すること」ですが、

5S では、さらに一歩進めて、「なぜきれいにしなければならないか」考えています。

それは、「きれいにすることによって、異常が発見されやすい状態を作ること」

につなげる考え方です。

きれいにすること(=異常の除去)は清掃活動そのものです。

次の段階の、異常を発見しやすい状況を作ることは、常時の点検活動のことで、

点検しやすい状態の作りこみを意味します。

「整理」「整頓」と「清掃」の関係

5S 活動は、まず整理活動で、整理で不用品の除去を行い、

続いて、整頓で定位置化/位置の明示を行い、

それが済んだ状態で、清掃活動に入ります。

清掃活動で異常の除去と点検が行われます。

清掃の対象と観点

清掃の対象は、人、設備、もの、場所、情報の4つになります。

方法は清掃できないので省きます。

観点は質と量に限定できます。

置き場所、量、タイミングについては整理・整頓で解決済みとして、省略します。

清掃のイメージが理解できたところで、

続いて清掃の例を2例紹介します。

例1 人の清掃 

人を対象とした例で考えていきます。

クリーンルームで作業する人の場合です。

品質の観点からは、入室前に十分にチリほこりが落ちているかを確認します。

安全の観点では、品質を保つ処置が対環境・製品に対して安全な水準を満たしているかの確認が必要です。

例2 設備・工具の清掃

次は、設備・工具を対象とした例です。

この場合、汚れの除去は当然のこと、

さらに、品質面で要求されている加工精度を守れるかの確認が必要です。

安全性では、設備・工具が安全に使用できる状態になっているかのチェックも必要となります。

清掃のレベル

清掃においても、整頓と同じようにレベルがあります。

清掃には2つのレベルがあり、

レベル1は言葉どおり異常(汚れ)の除去ができている状態です。

対象を徹底的にきれいにすることで、異常の発見を容易にします。

レベル2は異常を発見しやすい環境を作り出すことが目標です。

整理整頓の不具合を簡単に発見できるように、

整理・整頓状態の見える化、置けない工夫などを行います。

清掃チェックリスト

清掃でも他の5S活動と同様にと5Sチェックリストを作って活用します。

対象は、人、設備、もの、場所、情報の4つになります。

観点は、品質と安全性のほかに、点検しやすいか、しにくいかを見ます。

具体例を次に示します。

機械・工具を例に清掃チェックリストの使い方を解説します。

対象はN C旋盤、エアーガン、トルクレンチ、切り粉受けです。

N C旋盤、エアーガン、トルクレンチはよく清掃されています。

しかし、エアーガン、トルクレンチは設備の影にあり見えづらく、

点検しにくい位置にあります。

この2つは点検しにくいにチェックを、

N C旋盤は点検しやすいにチェックを入れます。

さらに、エアガンはホースが長く足にひっかかりそうな状態のなので、

安全性にチェックを入れました。

切り粉受けについては、清掃のタイミングが決まっておらず、

切り粉が床に落ちそうになっていたので、品質、安全性の欄をチェックしました。

また、清掃についての指示が不徹底なことから点検しにくい欄にチェックを入れました。

このようにチェックのついた項目を改善対象とします。

以上で、清掃活動の手順ついての解説は終わりです。

次回は、清潔活動の手順について解説します。

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