5S活動の手順(1)整理活動の手順 その1
そもそも「整理」とは?
5S活動で言う「整理」とは?
要・不要を判断することです。
一般的に整理の対象は「もの」ですが、
5Sでは、前の章で学んだ「4M+場所+情報」が対象になります。
おさらいしてみましょう。
5Sは、生産活動の構成要素全般に関する活動です。
したがって、その対象は、
頭文字をとって4Mと呼ばれる「人」「もの」「設備」「方法」と
生産現場である「場所」とそこに流れる「情報」を指します。
整理とは、生産要素全般を対象に、必要なものと不必要なものを区分して、不要なものを片付けることです。
整理活動のポイント
整理活動において、最初にやることは、
着目する作業の目的は何かを明確にすることです。
そして、対象である4M+場所+情報が、その目的達成のために必要かどうか、
前回学んだ5つの観点で目的に合っているかどうか判断します。
おさらいしましょう。
5つの観点とは、「置き方」「品質」「量」「安全性」「タイミング」です。
ただし、整理については「置き方」は問いません。次の「整頓」で判定します。
品質・量、タイミング、安全性、つまり「必要なものが必要なときに必要なだけあるか?」
どこかで聞いたことのあるフレーズですね。
そう、トヨタ式生産方式の「ジャストインタイム」と同じ考え方です。
対象ごとに要・不要を判断します
人:作業者は本当に必要か?
設備:その機械・設備/治具・工具は必要なのか?
もの:そのもの(材料/仕掛品/製品/副資材)は必要なのか?
方法:その方法は必要なのか?
場所:その場所、スペースは必要なのか?
情報:その情報(標準/基準/指示)は必要なのか?
ものを例に具体的に見てみましょう
机の上に釘が3本と金槌が用意されています。しかし、作業上で必要な釘は1本です。
この場合、「量」の観点から見て不必要なもの・排除すべきものを発見していきます。
使わない釘2本は整理対象になります。
整理活動における対象の分類
ものの整理においては、使用頻度によって3つのグループに分類します。
使用頻度の多い順に、「必需品」「移動・保管品」「不用品」とグループ分けします。
必需品は、頻繁に使用するもので、手元に置きます。
移動・保管品は半年から1月・1週間程度の頻度で使用します。
そのため、手元においておく必要はなく、場所を移動させて保管します。
不用品は、その作業で使用しないもの、処分の対象になります。
「使用頻度」と「移動のしやすさ」でグラフ化すると、下図のようになります。
移動・保管品は移動のしやすさを考えて、さらに区分します。
移動しにくいものは作業現場内など近くに移動して保管します。
移動しやすいものは作業現場外などの他所にて保管します。
実際にどこに保管するかは、整頓活動との兼ね合いで具体的に決めていきます。
次回予告
次回は整理活動の手順の続きです。
どこから整理を始めるか?その方向性について、
そして、具体的な手法として、チェっっクリストの活用について解説します。