5Sの実践(2)全社的活動
組織活動が必要な理由
5S活動を実践する上で、組織活動が重要になります。
その理由は、
時間的・空間的に多くの人によって実施されること、
活動を継続的に続けていかなければ効果が得られないこと、
対象ごとに異なる制約条件のもとで行われる活動を
平等に評価する必要があることが挙げられます。
5 S 活動の運営にあたっては、既存の組織の中に5 S 活動のための組織を作り、
その組織を中心に運営していくことが必要です。
運用組織の重要性
5 S 活動運営組織は、一般に「5 S 推進室」などのように呼ばれています。
5 S 推進室の中に、役割に応じていくつかのチームを設けると良いでしょう。
例えば、5 S 活動を導入するか否かの判断を含め、全体の企画組織を検討する企画チーム、
5 S の教育をつかさどる教育チーム、5 S 活動の実施をリードする実行チーム、
すべての活動を第三者的な観点から評価し、
後日活動自体を企業内で継続するかどうかの判断を含めて責任を持つ評価チーム。
そして、後日活動の全プロセスを通じて活動全体の管理・推進を担う統括チーム
の五つのチームを設け、5S推進室を組織します。
なお、評価の公平性を期すため、
評価チームと実行チームのメンバーは重複しないように注意してください。
5S推進チームを既存組織の中にどのように組み込むか?
それでは5 S 推進室をどのように既存組織の中に組み込んでいたら良いのか、
小規模な組織における例を示します。
実際の組織化の際の参考にしてください。
5 S 推進室は既存組織に対して5 S 推進のリーダーシップを発揮し、
実施にあたってのサポートを行います。
5 S 推進室の中に、統括・企画・教育・実行チーム・評価チームの二つのチームを設置しています。
小さな組織であることから、役割ごとに人員を割り振ることができないため、
少ないチームで効果的に5 S 活動を推進できるようにチーム編成をします。
ここで重要なのは、評価の公平性を保つため、評価チームを独立させるということです。
特に、実行チームの役割を担うメンバーと評価チームのメンバーは
重ならないように注意してください。
組織化にあたってのポイントは、
全社的な活動であることを示すためにも、5 S 推進本部の長を経営者にすることです。
そうでないと、全社的・効率的な活動に広がっていかない可能性もあります。
例えば、不用品、移動保管品を無責任に他の箇所に移し、
形だけの整理になるというようなことが起こりがちです。
このような弊害を無くす意味からも、
小規模組織であっても、5 S 推進本部の長は
全社的に5 S を進める立場・パワーを持った役職の人が勤めるのが良いでしょう。
組織活動の解説は以上です。