5Sの実践(3)赤札作戦
赤札作戦とは?
第3段階の具体的活動において
最初に行う動機つけ活動では、赤札作戦が有効です。
赤札作戦とは、対象を不用品・移動保管品・必需品に分類する整理を実施することです。
不用品に赤色の札、移動保管品に黄色の札を貼って分類することから、
赤札作戦と呼ばれています。
また、赤札作戦を効果的に進めるためには、
前もって導入教育を実施しておくことが大切です。
整理活動における対象の分類の知識や
整理チェックリストの使い方などを事前に十分理解し、
知識が定着してから赤札作戦を実施することで、効果が高まります。
赤札作戦の具体的活動
5S最初の活動の整理において
対象を不用品・移動保管品・必需品に分類する必要があります。
そして、不用品に赤色の札、移動保管品に黄色の札を貼って分類することから、
赤札作戦と呼ばれています。
分類のコツは、以前学んだように
使用頻度と移動にしやすさを指標にします。
分類の仕方はつぎの図を参照ください。
赤札作戦のステップ
赤札作戦の実施にあたってのステップは、
赤札プロジェクトの発足、
1 対象の決定、
2 判断基準の決定、
3 赤札黄札の作成、
4 赤札黄札の貼り付け、
5 赤札黄札に対するアクション
6 評価・再計画
の順になります。
各ステップを順に説明していきます。
ステップ1 赤札プロジェクトの発足
まずは、赤札作戦を実行する「赤札プロジェクト」を発足します。
実行組織は、5S推進室になります。
参加者は、全員です。
事前準備として、整理チェックリストを用意します。
整理チェックリストのサンプルとして、
作業机の上の治具工具の例を示します。
ステップ2 対象の決定
5S活動における対象は、「4M+場所+情報」があります。
赤札作戦においては、特に「もの」を重点的に、
作業場の原材料や在庫などを中心に選定します。
ステップ3 判断基準の決定
ステップ3では、要不要の判断をするために
分類するための判断基準を決めます。
例えば、1年以上使っていないものは不要品にする、
今日使わないものは移動・保管品にするなどを決めていきます。
ステップ4 赤札黄札の作成
続いて、赤札作戦で使用する「赤札」「黄札」を作ります。
赤札には、品名・数量・理由などを記入できるようにします。
黄札には、移動場所、保管期限などが記入できるようにします。
サンプルを次に示します。
ステップ5 赤札黄札の貼り付け
全員で現場を回りながら、
「整理チェックリスト」を用いて「不用品」か「移動・保管品」か「必需品」かを客観的に判断します。
そして、「不用品」には赤札、「移動・保管品」には黄札を貼ります。
ステップ6 赤札・黄札に対するアクション
整理対象が分類できたら、次はその処分です。
「赤札」については、経理と相談の上処分スケジュールを決めて、実行しましょう。
「黄札」については、必要量を決めて、必要以上のものは「赤札」に変更、
必要量は保管場所と期限を決めて、移動を実行しましょう。
ステップ7 評価・再計画
赤札作戦実行のあとは、今回の作戦の評価をします。
期限を決めて(3ヶ月経過後など)、
評価チームは、処分が完了しているか評価します。
赤札作戦は、定期的に行って、5S活動の動機付けの行事とすると効果的です。
一定期間毎(1ヶ月に1度など)に継続的に実施しましょう。
以上で、赤札作戦の実行の仕方の解説を終わりにします。