はじめての5S(2)3ムについて
5Sと3ム(ムリ・ムダ・ムラ)
5Sが欠如している状態では、現場にムリ・ムダ・ムラ(3ムと呼ばれる)が出現します。
まず、3ムとはどんな状態かを説明します。
ムリとは?
ムリとは、目的に対してその達成のための手段が小さい状態のことです。
その手段ではどんなに頑張っても目的を達成することができません。
例えば、5tの荷を吊り上げたいが、2tクレーンしか用意していない。
改善策としては、大きなクレーンを調達するとか、分割して荷揚げするとかになります。
ムダとは?
ムダとは、目的に対してその達成のための手段が大きすぎることです。
余裕がありすぎて、効率的になっていない状態のこと。
例えば、1tの荷を吊るのに100tクレーンを用意するようなことです。
改善策は、小回りのきく少容量のクレーンに変える事です。
ムラとは?
ムラとは、目的に対して、それを達成するための手段が大きかったり小さかったり、 その時々で変わることです。
結果もその都度違ってくるため、
改善活動で対策の方向性がばらつき、 効果的な対策を立てられない状態になります。
ムリかムダかわかっていれば改善できるが、
どちらかわからない状態では改善しようがありません。
3ムのなかで最も悪い状態と言えます。
「ムラ」の例
具体的に「ムラ」の例をみていきましょう。
例1:そのつど、異なった手順で工具を使う
例2:そのつど、異なった場所に 部品・工具がある
例3:そのつど、異なった手順で作業する
ムラの発生する原因
ムラの発生する原因は明確です。
3つの例とも、作業標準がない事です。
ムラをなくすには、まず、作業標準を固める事です。
作業標準があり、それに従った行動をすれば、いい悪いは別にして、
作業の結果は、安定してきます。
「ムラ」があると現場は安定しません。
したがって、5S活動では「ムラ」のことを「揺らぎ」とも呼びます。
5S活動では、まず「ムラ」をなくすことに集中します。
次回は、現場に顕在している「ムラ」をもれなく発見する方法と5Sとの関係について解説します。
※【参考文献】 独立行政法人中小企業基盤整備機構公式チャンネル、現場で学ぶ5S、YouTube、2011.