はじめての5S(6)5S活動の進め方、評価方法
5Sの全体像
5Sは、前段の3S(「整理」「整頓」「清掃」)と後段の2S(「清潔」「躾」)に加藤堂の目的が分かれています。
3Sの目的と評価方法
まず、3S活動の目的は「揺らぎの除去」です。
3S活動が定着したかどうかの評価は、
揺らぎが除去されているかどうかを見ます。
具体的には、定常状態にするための作業ルール・基準があるかどうかで判断します。
3Sが定着したかどうかを具体例で見ていきましょう。
具体的な評価例1
例1:ある現場では、その都度、異なる工具を使って作業しています。
明らかにムラがあります。
対策は、その作業ではどの工具を使うか決め、作業指示書にして明示する。となります。
具体的な評価例2
例2:その現場では、その都度、異なる手順で作業しています。
明らかにムラがあります。
対策は、その作業における手順を決め、工程表に手順を記載する。となります。
具体的な評価例3
例3:その都度、異なった場所に部品・工具が置かれている。
明らかにムラがあります。
対策→工具の置き場所を決め、何が置かれる場所かを表示する。となります。
これら3つの例でもわかるように、
ルールを作って明示することで、ムラがなくなり、
揺らぎのない生産現場にすることができます。
2Sで揺らぎの再発防止を図る
3S活動で揺らぎがなくなった生産現場では
引き続き、2S活動に入ります。
この2S活動の目的は、3Sの徹底・維持、揺らぎの再発ゼロを目指します。
その評価は、定常状態にするためのルールが守られているかどうかで判定します。
守られていなかった回数や頻度、守れていた期間で判断します。
具体的な例で説明します。
2S活動の評価例
この職場では、台車は皆の共有で台車置き場が決められており、
使い終わったあとはもとに戻すルールになっています。
2Sが行われているかどうかを「台車持出・返却確認表」で判定します。
この表には、日付、持ち出した人、返却した人、対応(ルールが守られなかったときの処置を記載する)欄が設けられています。
ある日、Aさんが台車を持出、
就業時に作業場所に置きっぱなしにして、 返却しませんでした。
翌日、Bさんが台車を使おうとしましたが、
台車置き場に台車がなく困ってしましました。
これは、ルールが破られ、ムラのある行動が再発したことを表します。
「台車持出・返却確認表」によってムラの原因はAさんであることがわかりました。
再発防止のため、上長はAさんを呼び、
注意とルールの再確認を行いました。
そして、対応の欄にこのことを書き込みます。
これで、守られない回数や頻度、守られていた期間がわかり、
2S活動が正しく行われているかを評価できます。
3S及び2S活動の評価方法を理解できたでしょうか?
「はじめての5S」シリーズは今回で終わりです。
※【参考文献】 独立行政法人中小企業基盤整備機構公式チャンネル、現場で学ぶ5S、YouTube、2011.