経営者は新型コロナとどう向き合えばよいか? その1
コロナショック
今年の年明けから5ヶ月が過ぎ、世の中の風景がすっかり変わってしまったように感じます。
昨年暮れの、中国武漢における新型ウイルスの誕生から、
①中国における都市封鎖
②全世界を巻き込んだパンデミック(公衆衛生上の危機)
③人の移動の制限→経済活動の停止
④生産現場の停止→供給の停止
⑤供給網(サプライチェーン)の寸断
⑥消費の減少→需要不足
現在、日本ではようやく緊急事態宣言解除になり、
3月中旬から続いた自粛生活から、少しずつではあるが、日常が戻りつつあります。
しかし、この間の経済的疲弊は、全世界を巻き込んで、
1929年の世界大恐慌に匹敵する事態になり、
2008年のリマンショックを超える、「コロナショック」と呼んでいい事態になっているようです。
経済の疲弊はどの程度?
IMF(世界通貨基金)の予想では、
2020年の経済成長を示すGDP成長率は、▲5%〜▲6%台(日本)になると言われています。
しかも、コロナウイルスとの戦いは、ワクチンが開発されて世界中に広く普及するか、
もしくは広く世界人口の大半が感染して、集団免疫が形成されるまで続くと予想されているます。
おそらく、2から3年では終わらないと思えます。
この数字が何を物語るか?
戦後の高度成長期以降のGDP成長率の推移をグラフで見ると、
成長率は、高度成長期の9%台から、バブル期の4%台、バブル崩壊後の平成不況期の1%台と、
徐々に減ってきて、ここ10年くらいは低成長が続いています。
さすがに、2008年のリーマンショック時には▲3.4%にまで落ち込んだが、
長期にわたりマイナスが続く事態は経験していません。
「成長率▲5%が数年続く」と言う世界は、今までにない大変な状況に陥ったといえます。
誰も解決策を知らない、手探りの経済運営がしばらく続くと予想されます。
まさしく、パラダイムシフト(社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること)が起きています。
ビフォーコロナ→ウイズコロナ→アフターコロナ
世界は、コロナショックを境に、決して後戻りしない不可逆的な状態を突き進んでいます。
第2次世界大戦の前後を、戦前、戦中、戦後と呼ぶように、
コロナショック以前を「ビフォーコロナ」、
コロナショックと立ち向かう時期を「ウイズコロナ」、
コロナショック後の世界を「アフターコロナ」と呼ぶ人がいます。
ヨーロッパ中世の時期の「ペストがルネサンス誕生の引き金になった」ように
「コロナが○○○を生んだ」と言われるようになるだろうと思います。
果たして、○○○はなんだろう。
働き方改革?
ITにより、どこでも監視される世界へ?
競争社会から協調社会へ?
働き過ぎから余暇を楽しむ世界へ?
都市から地方への流れ?
資本主義の終焉、新しい経済体制へ?
人間のコントロール下でテクノロジーを扱う世界へ?
気象変動と正面から向き合う世界へ?
次回へ
経営コンサルとして、社会変革の大きな節目に対面している今こそ、
私の支援すべき経営者が、この変化に対応するためにはどうすべきか?
アフターコロナの経営戦略を立てるため、
ウイズコロナの中、日本政府はどう言う未来社会を目指して、政策決定しているか?
先進国はどう考えているか?
発展途上国が成長するための新しいビジネスモデルはどうなるか?
経済の質はどう変わっていくか?
つらつらと、考えていきたいと思います。