手書きPOPは野菜販売における最強の販売促進方法 7 〜商品価値を上げるにはブランド化が重要〜

もちろん効用です。

インストアプロモーションの目的

インストアプロモーションの目的は、お店に来ていただいたお客さまの購買意識を上げることです。

そのためには商品価値を上げることが必須です。

大事なことなので、再度おさらいしましょう。

商品価値=効用/価格です。

効用はその商品を消費してお客様が得る満足度です。

この時、効用を上げる方策と価格を下げる方策のどちらに注力するか?

小規模農家の選択は?

もちろん「効用」を挙げる方策に注力しましょう。

なぜでしょう?

小規模事業者の強みは、

大量生産には不向きな、特色あるニッチ商品を作れるところにあります。

小規模事業者がその強みを活かして商品価値を高める(=効用が上げる)には、

価格競争することではなく、

効用を上げることに全ての資源を注ぎ込むことです。

そのためには、ブランド化が非常に重要になってきます。

ブランドとは?

あなたが小松菜の生産農家だとします。

何も工夫せず、いつものように農協に出荷すれば、

他の生産者の小松菜に混ざって、ただの小松菜として流通します。

せっかく、野菜直売所に自分の棚を持って

直接消費者と向かい合う場があるなら、

他の小松菜と区別されて

消費者に「指名買い」されることを目指しましょう。

これがブランドということです。

ただの小松菜ではなく「〇〇さんの小松菜」になることです。

ブランド形成のための3つのキーワード

まず、ブランドを定義します。

ブランドとは?

消費者が商品やサービスの

「意味ある差」に

「共感」して、

「ファンになっている状態」のこと。

ブランド形成のための3つのキーワードをもう少し詳しく説明します。

キーワード1 「意味ある差」

商品が巷に溢れる環境下において、品質が高いだけでは消費者から選んでもらえません。

並べるだけの陳列なら、みんな同じに見えるからです。

選んでもらえる工夫が必要です。

そのためには他の商品との違い(差)を消費者に感じてもらうことが大切です。

この差こそが消費者が時間と対価を払ってでも得たいと思う「意味ある差」なのです。

この意味ある差がブランド価値とも言えます。

ブランドはどのようにして成り立つか?

ブランドは生産者と消費者がいて成り立つものです。

生産者が商品の「意味ある差」を伝えても、

消費者がその価値を認めなければ成立しません。

そのために、生産者は広告や販売促進活動を通じて消費者とのコミュニケーションをはかり、

ブランドを認知してもらう努力をするのです。

キーワード2 「共感」

消費者にブランド価値を認めてもらうには、

あなたの生産品に対する、あなたの思いを

消費者に共有してもらうこと、

あなたと同じ気持ちになってもらうことです。

共感してもらうにはどうしたらいいでしょうか?

そのためには次の4つの要素が必要となります。

コミュニケーション力

あなたと消費者の間にコミュニケーションがなければ共感は生まれません。

コミュニケーションとは、意思や感情・情報のやり取りです。

まず、生産者のあなたはその商品に込めた思いや情報を消費者に伝えることが大切です。

生産者と消費者ではそのブランドに対して情報量が違います。

生産者は消費者目線でコミュニケートすることが重要です。

寄り添う力

消費者に寄り添うとは、

消費者の考えていることを理解して、

その商品が消費者の課題解決をしてハッピーにさせるものになっているか

そこにに集中します。

これが「寄り添う」ということです。

ワクワクさせる力

ワクワクさせるとは?

消費者は想定の範囲内の価値を提供されても共感しません。

そのブランドが自身を変えたり、

今までにない体験ができるといった、

ワクワク感がブランドには必要です。

信頼力

信頼力とは?

ブランドは正直でなければなりません。

誇大表示だったり、

証拠のない独りよがりの主張には信頼が生まれません。

ブランド価値を証拠で裏付けることが共感を生みます。

キーワード3 「ファンになっている状態」

ファンになると言っても、段階があります。

ブランドイメージに共感し、その名前や外見で好きになるライトなファンもいるかと思います。

また、無名だったブランド価値に早期に気づき、

ついついSNS等で自発的に応援してしまっているということもあるでしょう。

「ファンになっている状態」とは?

そのブランドを愛してしまい、ブランドの成功を共に喜び応援している状態だと言えます。

このような「ファン」がいることが、ブランドには必要不可欠です。

そこでPOPの出番です

あなたは、野菜直売所に常駐するわけにはいきません。

農場の作物の面倒を見て、

作物の流通も行い、

次の作付けの計画も練らなければなりません。

消費者とどうやってコミュニケーションを取るか?

そうです、ここでPOPの出番になります。

安価に、少しの努力で、

商品や農家をブランド化するためのツールがP O Pなのです。

生産者が「生産だけの農家」から「自ら販売する農家」へ革新するツールにしてほしいと思っています。

手書きP O Pを学んで、どんどん現場で挑戦して、

手書きP O Pを優秀な店頭販売員に育てましょう。

「手書きPOPは野菜販売における最強の販売促進方法」のシリーズは今回で終わりとします。

次のシリーズは「売上が伸びるPOPの書き方」として

いよいよ実践に入ってききます。

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