手書きPOPは野菜販売における最強の販売促進方法 3 〜なぜ手書きPOPが効果的なのか?〜

POPは、お金をかけずにすぐできる!

今回、インストアプロモーションとしてなぜPOPを推奨するか?について解説します。

販売促進広告にはいろいろな手段があります。

例えば、「店頭サイン」「ポール看板」「ポスター」「幟」「SNS販促」「ダイレクトメール」などなど

広告を「時間」と「コスト」を軸にポジショニングマップを作ると次のようになります。

この分析からPOPはお金をかけずにすぐできる広告であることがわかります。

POP広告は、店頭で顧客が購入をする際に、

販売員に代わって製品やサービスについて説明をし、購買を促す効果がある。

例えば、下図のような手書きの広告を言います。

よく本屋さんで見かける、書店員さん「おすすめの1冊」といった小さいカード状の広告です。

なぜPOPが効果的なのか?その理由は次のとおりです。

① 手軽で安価

② 表現に自由度がある

③ 店内の活気を演出できる

④ 繰り返し実行して成果を実感しながら効果的なP O P作成が可能

対するデメリットは

①制作にちょっとした「コツ」が必要

②書き手によって品質がばらつく

デメリットについては練習と数をこなすことで克服できます。

POPの効果

あるアンケート結果ではP O P広告の効果についてこんな結果が出ています

「買い物をする際に、店内の商品説明(POP広告)を読むことはありますか?」という質問に対して、

3/4の人がP O Pを読んでいます。

広告としての存在価値は高いと言えます。

続いて「店内の商品説明(POP広告)によって、どう感じましたか?」という質問で、

約半数の人が「商品の内容・特徴が分かった」「商品に興味を持った」と回答しています。

つまり、お店に来店したお客さまの3/4の人がP O Pに興味を示し、何が書いてあるか読む、

その内、半数の人がその商品を認識し興味を示す結果です。

8人のお客さまのうち3人に商品に対する強いアピールができたと言えます。

安価な割に高い効果があると言えます。

もちろんPOP広告を制作すれば何でも良い、というわけではありません。

訴えかけたい客層に合わせた、適切で分かりやすい表現方法をしなければならなりません。

繰り返し設置して訴えかけ、その結果を反映していけば、

「じわじわと」「確実に」成果をあげてくれることが期待できます。

野菜直売所における農家の立ち位置

野菜直売所にはたくさんの登録農家が野菜を出荷します。

野菜には旬があり、どうしても同じ種類の野菜が並びます。

この状況は、直売店側にしたら「豊富な商品が並んでいる。」ということで、

お店の魅力の一つですが、

出荷する農家さんにとってはライバルが多すぎるデメリットでもあります。

農家からすると、他の農家ではなく自分を選んでもらう工夫が必要になります。

一方、商品を選ぶ側のお客様側からすると、

販売員がいないので、商品を見ながら、手に取りながら吟味します。

お客さまはどんな基準で選んでいるのでしょうか?

・価格でしょうか?

・量の多さでしょうか?

・見た目でしょうか?

・食の安全性でしょうか?

出品する農家から見て一番避けなければならない基準は、

「価格が安いから」です。

値段で勝負しだすとキリがありません。

値段の安さを重視するお客様は、

あなたより安い商品が出荷されたらそちらを選び、

あなたの販売量は落ちます。

価格競争に追従したら競争相手は利益を抑えてさらに下げてきます。

まさしく負のスパイラルに入る結果になり、

お互いにとってメリットはありません。

農家側の戦略は「価格以外の理由でお客様に選ばれる」ことです。

小規模事業者は価格を商品メリットにしないことが大原則です。

そこでようやく手書きP O Pの出番です。

価格以外の部分でお客様に選ばれる理由を作るために使えるの手段が手書きP O Pなのです。

今回はここまで

次回は直売所に来店したお客さまが購買に至るまでの心理を分析し、

どの場面でPOPが有効的に機能するかを考えます。

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