現場で使える建設業界用語 6 ネットワーク工程表/その作成方法 その1(往路計算)
ネットワーク工程表を作成してみよう
今回は、実例を使ってネットワーク工程表を作ってみましょう。
まずは、あるプロジェクトの例をもとに、次の手順で作成します。
①作業関連表の作成
②ネットワーク図の作成
③往路時間の計算→クリチカルパスと総所用日数の算出ができます
④往路時間の計算→フロートの算出、ネットワーク工程表が完成
機械的な足し算と引き算だけで、
Tの入力から、ES、E F、LF、LS、Fの5つの時間を算出できます。
今回、次回の2回に分けて解説します。
作業関連表の作成
あるプロジェクトを、遂行しなければなりません。
工事管理者として、必要な総作業時間とクリティカルパスを算出して、
諸々の状況変化に対して、効率的な工程管理をすることが求められています。
その時まずやることは、各作業を洗い出して、それぞれの作業の関連性を調査します。
そして、作業ごとに所用時間と、直前にやっておかなければならない作業「直前先行作業」を洗い出して表にします。
作業関連表です。実例を次に示します。
タスク名 | 先行作業 | 所要時間 |
A | なし | 3 |
B | A | 5 |
C | B | 5 |
D | A | 3 |
F | B、D | 2 |
G | C、F | 3 |
この作業関連表から次のようなネットワーク図を作ることができます。
往路計算
ネットワーク図ができたら、往路計算をします。
左から右に、順番にES(最早開始)とEF(最早終了)を計算していきます。
最初の作業Aでは、もちろんES=0、EF=ES+Tです。
次の作業からは、ES=直前作業のEF(複数ある場合は一番大きい数字)、EF=ES+Tとして計算します。
注視するのは、前作業が複数ある場合です。今回では作業FとGです。
では、やってみましょう。
作業FのESには、前作業のESが、Bの8とDの6なので、8を入れます。
同様に、作業GのESには、前作業のESが、Cの13とFの10なので、13を入れます。
これで往路計算は終わりです。
これで、クリティカルパスと総所用日数が分かります。
一番大きいEFが総所用日数になり、辿ってきた青点線の作業がクリティカルパスになります。
A→B→C→Gです。
施工管理の試験問題であれば、作業関連表から総所用日数を出す問題として出題されます。
2分もあれば、誰でもできます。ラッキー問題ですから、しっかり抑えておきましょう。
今回はここまで、次回は復路計算から、LF、LS、Fを計算してネットワーク工程表を完成させましょう。