手書きPOPは野菜販売における最強の販売促進方法 4 〜お客さまの購買行動を分析する〜
来店されたお客さまの購買行動を理解する
野菜直売所における農家にとって、
インストアプロモーションが重要なマーケティング戦略として位置付けられています。
その理由を簡単に解説します。
お客様の購買行動の理解なくして、お客に喜んでいただける棚づくりは不可能です。
お客は店頭で商品を購入するとき、いったいどのような理由でその商品を手に取るのでしょうか?
お客の立場から購買行動をあらためて分析します。
ポイントとなるのは、その買物が計画的かどうかです。
「計画購買」か?「非計画購買」か?
お店に来たお客様の購買行動「計画購買」と「非計画購買」の2種類があります。
「計画購買」とは、入店前にそもそも何を買うのかを決めている購買行動のことです。
たとえば、家で使っているA社のラップを買うという目的で来店し、
実際にA社のラップを買ったというように、
「入店前の意向」と「入店後に購入したもの」が結果として同じであった場合を「計画購買」と言います。
一方の「非計画購買」はたとえばA社のラップを買おうとしていたものの、
店舗で実際に購入したのはB社のラップだったというように、
入店前の意図とは違うものを買うことを指します。
そもそも買うつもりがなかったものを、店舗で見つけて購入したり、
ビールを買うつもりだけれども銘柄は店頭で決めようという購買行動も非計画購買に入ります。
統計的に見ると、来店いただいたお客さまの80%が「非計画購買」です。
「通りがかりで店を覗いた」
「何か珍しいものがないかな」
「今、旬な野菜は何かな」など購入品が決まっていないまま来店します。
つまり生活者の購買意思決定のほとんどは『店舗の中』で行われているのです。
その時、自社の商品をどう消費者の「自分ごと」として意識させるかがポイントとなります。
思いがけない商品との出会いを演出し、予定外のニーズを掘り起こすことができるという意味でも、
インストアプロモーションへの期待が高まっているのです。
つまり、インストア・プロモーションを行うことで来店者に対して直接的かつ効果的に購買を促すことが可能となる訳です!
そして、インストアプロモーションのもうひとつの大きな強みは、
目の前にある商品をその場でアピールできるという点です。
宣伝をしているその場で、商品を手に取って見てもらえるために、
売上に直結する可能性が高いのです。
非計画購買は4つのタイプがある
8割の非計画購買のお客さまをさらに分けると
次の4つのタイプに分類できます。
1 純粋衝動購買
売場を歩いていて「これいいな」と思ったものを買う
2 想起衝動購買
売場を歩いていて、「これ足りなかったな」必要だったことに気づいて買う
3 提案受入衝動購買
店頭の説明に惹かれて買う気になる
4 計画的衝動買
入店前に品種(野菜)まで決めていたけれど、品目(トマト)は店頭で見て決める
POPの直接的役割は3の「提案受入衝動購買」のお客さまを取り込むことにあります
しかし、どれも店頭で提供される「情報」が購買の決め手になることは確かです。
POPの役割をわかってもらえたでしょうか。
アウトドアプロモーションからインドアプロモーションそしてクロージングへ
現代は、インターネットを使って、いつでもどんなものでも購入できる時代です。
また、市場には商品があふれ、モノの価値だけではなかなか他社と差別化することができません。
そうしたなかで、消費者の価値観はモノよりコト(体験)へと向かっているといわれています。
買い物にもエンターテインメント性を求める傾向が強まり、
実際に商品に触れられる「体験の価値」を重視するようになってきました。
現代の客様があなたの商品を知って、購買に至るプロセスは
まず、チラシ配布やSNS投稿といったアウトドアプロモーションでお店に興味を持ってもらう
野菜直売所の場合はお店が行います。
その気になったお客さまは、実際に来店して体験したくなります。
ある時、そのお店の近くに行く用事がありました。
お店の看板を見ると、朝採れ野菜を売る産直の店とある。
ちょっと覗いてみよう。
お店に来店したお客さまに直接的かつ効果的に購買を促進させる活動がインストアプロモーションです。
POPを見て、商品を手に取って考えます。
POPには料理方法の情報もあります。
夕飯の一品に加えた時の家族の笑顔が想像できます。
欲しくなり、買って帰ろうと決心します。
今回はここまでです
次回は、もう少し具体的に
来店された非計画購買型のお客さまは
どういう心理行動を取るか
場面ごとに分析します