千葉の酒蔵 稲花酒造 酒蔵見学
千葉県一宮町の酒蔵「稲花酒造」さんを見学させていただきました。
この蔵は江戸時代文政年間に創業した老舗酒蔵です。200年企業。現在は12代目の女性蔵元当主が経営しています。その蔵元当主秋葉貴子さんに蔵を案内していただきました。
蔵元は先代の娘で12代目として蔵を切り盛りしています。大学で醸造学を学び実家の酒蔵で実践と経験を積んできた方で、長い間杜氏としても直接酒造りに関わって来たそうです。
日本酒のうんちく 扁平精米
蔵元にうんちくを一つ教えてもらいました。ここでは扁平精米を取り入れているそうです。
扁平精米とは?普通に酒米を精米するとラグビーボール型の米が球形になります。扁平精米とはラブビーボール型の米をそのままの形に精米する技法です。こうすることによ必要な芯のところを余りなく残せます。ここ稲花酒造が日本初に取り入れたと技法とのこと。
お蔵の外観。煉瓦積みの煙突がシンボル。
上総地域らしく、大根じめ(しめ縄)のある入り口、宮大工の造った蔵に入ります。
玄関先に古い東京国税庁の看板がかかっています。「お酒は現金で」。以前は酒税が国の財政に大きく貢献した税金だったころの名残りです。
蔵は古い木造建築で、梁は手斧(ちょうな)で粗削りしたままの材木がクロス梁構造として使われています。柱と梁からなる在来軸組構造ではなく、大梁の大きさに相当する柱がありません。細かく配列された柱と横材で構成された壁構造に合掌梁をあずけた構造になっています。
土壁は藁を練り込んだ繊維壁のようです。そして、壁表面に白い斑点が見えます。蔵に住みついている麹菌です。
蔵元のうんちくを聴きながら、一般市場になかなか出回らない、ここだけのお酒を試飲させていただきました。
ここのお酒は、貯蔵してまろやかな熟成酒になるそうです。本物なので生原酒でも酸っぱくならずに熟成が進むようです。
秘蔵の20年ものを試させてもらいました。まろやかな香りの高級シロップとでも言ったらいいか、アイスにかけて香りを楽しみたい。なんとも説明が下手ですいません。とにかく魅惑的な独特な香りなんです。
蔵元の話は、キレがあって、ズバッと真髄ををついた酒造業界の裏話など楽しく聞かせていただきました。すっかり当主のファンになってしましました。