中小企業経営者が知っておきたい経営用語 1 パレートの法則
たくさんある製品のどれを残す?
製造業では、マンネリ化を防止するため
常に新商品開発を進め流ことが常態化されています。
これは、企業の新陳代謝を進める上で大切なことです。
しかし、ややもすると
品種ばかりが増えて、非効率な経営になりがちです。
そんな場合は、商品を絞り込む必要があります。
ここで役立つのが、パレートの法則です。
イタリアの経済学者のヴィルフェルド・パレードさんが発見した法則です。
「ばらつきの法則」や「8:2の法則」とも呼ばれ、
自然界の偏り(ばらつき)を表す法則です。
昆虫のアリの世界では、
死に物狂いで働く「働きアリ」と
仕事をせずに傍観する「働かないアリ」に分類できて、
その数の割合は、働きアリ2に対して、働かないアリが8だそうです。
不思議なことに、その集団から働きアリを何匹か取り除くと、
働かないアリが何匹か、突然働くアリに改心して
働くようになるそうです。
そして、両者の割合を調べてみると、2:8に戻るということです。
物事は、大概のものが8:2の割合で偏りができるという自然の摂理を表しています。
経済においては、
富の8割は2割の人に集まる。
売上の8割は2割の商品から生み出される。
などが有名です。
溢れかえった商品群を前に、どの商品を残すかどうかの判断でも
この法則で残すか残さないかを決定したらどうでしょうか。
ロングテール
同じような概念で、最近よく目にする図に
ロングテールと呼ばれるグラフがあります。
縦軸に売上を横軸に商品の種類を売上の高い順に
プロットすると上のような図になります。
恐竜の尾のような形になります。
リアルの商品を持たない、ネット販売のビジネスモデルを
説明する時に使われます。
販売機会が少ない商品でも、アイテム数を幅広く扱うことで
顧客の満足度が上がり、総体的に売上をあげることができるというものです。
家電量販店のように、実店舗で展示販売するような
従来のビジネスモデルでは、固定費がかさんで
成り立たない、新しい概念です。