今さら聞けない チバニアンって何がすごい? その2

国指定の天然記念物

チバニアンの現地

チバニアンは国の天然記念物に指定されています。正式名は「養老川流域田淵の地磁気逆転地層」となっています。

場所は、月崎駅から徒歩30分くらい。養老川の河岸段丘の段丘崖にあたります。

養老川へは道路からかなり下ります。5階建建物くらいの高低差があります。坂も急勾配なので要注意です。また、現地は川岸なので水量によっては水につかります。足元は長靴がいいでしょう。

民有地であり、基本は研究対象なので、お邪魔している気持ちが大切です。荒らさずに見学しましょう。

もちろん安全管理は自己責任でお願いします。

地磁気逆転とは?

天然記念物の名称にあるように、地磁気逆転地層がすごいらしいのです。そのあたりをちょっと調べました。

地球は北極側がN極で南極側がS極が常識です。ところが、地球の長い歴史の間にこの地磁気は何百回と逆転してきたというのです。

どうして逆転があったことがわかったかというと、磁気を帯びた鉱物が地層に含まれていますが、これを調べると、地磁気の向きがわかるそうなのです。

地層は年代の指標なので、そこに含まれる鉱物を調べることで地磁気が逆転した正確な年代を知ることができるということ。

そして、地層がむき出し(露頭)になっている必要があります。地中に埋まっていては観察できないでしょ。

その条件がそろった場所がここだということ。イタリアにもあるらしい。

チバニアンとは?時代の名前だった。(例えばジュラ紀やカンブリア紀)

チバニアンとは年代の名前。ジュラ紀とかカンブリア紀とか一緒。

そしてこの養老渓谷の田淵地区は地層の観察によりその時代が正確にわかっており、新世代・第四紀・更新期・中期にあたる。77万4千年前から12万9千年前だそうです。

マンモスがいて、旧人のネアンダールタール人から新人類のホモサピエンスに切り替わる時代ということ。

それでその年代確認に貢献したので年代の命名権をもらえて、地域にちなんだ名前として、この年代を「チバニアン」としたとのこと。ちなみにチバニアンはカンブリアの次に新しい年代です。

自然標本としてのこの天然記念物も「チバニアン」と呼ばれるようになったようです。

チバニアンはどのようにして出現したのか?

通常、古い地層は地中深くに埋まっていてお目にかかることはできません。

海の底だったりしたら、地殻変動で地表に現れ、さらに川の力で侵食されて河岸段丘と段丘崖ができないと見れません。

チバニアンができるまで

チバニアンは地磁気の逆転現象の様子が観察できる地層として、世界的に希少な標本と評価されたということ。

素人目には、びっくりするような形態や景観ではないので、「一度見たよ」程度の天然記念物でした。

研究者からすると大変貴重な標本のようで、各地の大学が観察に押し寄せ、資料を採取しているようです。

天然記念物

写真の赤や黄色の杭頭が標本採取した跡のようです。地磁気逆転がいつ起きたか正確にわかるようです。

そのうち、近くにお土産屋やレストランができて、チバニアン饅頭とかチバニアンカレーとかできたりして。

現地はこんな感じです。 動画付き

月崎駅からチバニアンへ

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