5S活動の手順(6)清潔及び躾の手順

今回は、4番目のSである清潔と5番目のSである躾について解説します。

清潔とは?

一般的に、清潔は「汚れがなくきれいなこと」という意味です。

5S の定義では、

清潔とは、「整理・整頓・清潔の3Sが繰り返され、異常が出ない仕組みが確立できていること。」

と定義しています。

3Sと「清潔」の関係

整理・整頓・清掃の前段の3Sが達成されると

現場は揺らぎがなくなり、生産活動のムラがなくなります。

その状態を維持するために、2S活動の清潔と躾の活動を行います。

まず、3Sと清掃の関係を解説します。

後半の2Sは5S精神の定着と維持活動に主眼を置いています。

3Sが完成された状態とは、不要なものがなく、

ものが定位置に置かれて、誰でもわかる様に位置が明示されており、

掃除が行き届いていて、汚れの点検が容易な状態を言います。

これを維持して、逆戻りを防止することが清潔の活動です。

「清潔」活動の対象

清潔の対象は、清掃と同様に4Mから「方法」を抜いた、

人・設備・もの+場所+情報です。

これらの対象について、3Sの整理・整頓・清掃が維持できていて、

かつ、逆戻りが防止できているかをチェックします。

チェックにおいては、5つの観点(置き場、質、量、安全性、タイミング)は用いずに、

維持・予防できているかで判断します。

「清潔」の2つのレベル

清潔にも清掃と同様に2つのレベルがあります。

レベル1は「維持」です。

先にあげた4つの対象について

3S(整理・整頓・清掃)が維持できているかをチェックすることです。

レベル2は「予防」です。

これは、汚れない仕組みを確立して予防することです。

清潔チェックリスト

いつものように、チェックリストを活用します。

基本チェックリストを清潔活動用にアレンジします。

サンプルは次のようになります。

躾とは?

続いて、最後のSの躾について解説していきます。

一般的に躾とは、基本的なことの教育と言った意味合いです。

5Sでも意味に大きな差はありません。

5Sにおける躾とは、躾とは「決められたことをいつも正しく守る、習慣づけのこと」です。

具体的には、3Sで揺らぎを防止して、

3Sの状態を維持・予防する清潔の活動を自発的に実行できる様になることです。

躾のレベル

躾にもレベルがあり、5Sの躾の前に

その土台となる、企業人としての躾、社会人としての躾が必要です。

企業人としての躾とは、企業倫理や技術者倫理の理解と実行のことを指します。

社会人としての躾とは、

挨拶や電話対応、目的・情報の共有化、時間・納期の厳守、身だしなみ、マナーなどがあげられます。

躾のチェックリスト

5Sの躾についても、いつもの様にチェックリストを活用します。

サンプルを次に示します。

5Sの躾の前に、社会人として、企業人として躾ができているか評価します。

5S の躾チェックリスト

続いて、5Sにおける躾のチェックリストを解説します。

対象は5S活動に参加している人です。

そのチェック項目は

「5Sの理解度」と「5S活動における行動(パフォーマンス)」の2項目について、評価します。

それぞれの詳細は、次の様になります。

まずは5Sの理解度をチェックします。

5Sの目的・5Sの定義・改善活動との関連の理解できているか?

5Sの対象の理解、5Sの観点の理解できているか?

3Sの具体的な推進とチェックリストの使い方の理解ができているか?

2Sの狙いと実践法のの理解できているか?

続いて5S活動の行動(パフォーマンス)についてチェックします。

5Sそれぞれのチェックシートの使い方ができているか?

5S推進に貢献しているか?

5Sの教育・指導に貢献できているか?

改善活動への寄与できているか?

チェックリストにすると、次のようになります。

ここでは、評価ランクを5段階にして、評価1から最高ランク評価5まで、評価例を提示しています。

対象の人毎に、それぞれの評価項目が、現在どのレベルにあるかチェックしていきます。

評価ランクは「定着度」や「頻度」「理解度」「遂行度」でランクづけます。

以上で5S全ての活動手順についての解説を終わります。

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