経営者は新型コロナとどう向き合えばよいか? 2 コロナは時代を変える?

今さら聞けない withコロナとは?

「withコロナ」新しい言葉で、辞書に載る前の流行語ですね。皆さんそれぞれの意味で使っているようです。

英語の語感から言えば、「コロナと一緒に」→「コロナと共存する」という解釈で話します。

対語として、「befor コロナ」、「after コロナ」。コロナ以前、コロナ以後となります。

キリスト誕生を契機とした「紀元前=befor Christ」、「紀元後」と同じ考えかたです。

訳あって、紀元後はAC(after Christ) ではなくAD(anno Domini)と呼ばれていますが、

ある事件によって、時代が不可逆的に変わることを意味しています。

時代の変わり目

今年2020年前半のコロナショックを契機として、

「時代が変わる、もう元の時代には戻らない」と思っている人が多いということです。

コロナと共存すると言うこと

私たちは恐竜ではないので、気候変動と共に滅びるわけにはいけません。

生き延びるためには、環境の変化に対応することが求められています。

「強いものが生き延びるのではなく、環境の変化に対応できたものだけが生き延びる」

この真理は、歴史が証明していますね。

経営学では、企業にとってゴーイングコンサーン(going concern:企業継続を前提とする)が最終目標です。

企業は継続することを目標に、活動するといった意味合いです。

したがって、経営者は、取り巻く環境が変われば、自らを変えて、新しい環境に対応することを第一に考えます。

それが企業が継続するための掟です。100年企業はそうやって時代の変化を乗り越えて今にあるわけです。

不可逆的な環境の変化と言えば、世界大戦・気候変動、

そして、今回のようなウイルスによるパンデミック(世界的大流行)があります。

影響の大きさや規模・移行期間の長さから言うと

気候変動>パンデミック>世界大戦の順になります。

パンデミックは中規模の危機です。

これまでもペストやインフルエンザなどのパンデミックを克服した経験があります。

「明けない夜はない」と信じて、

「withコロナ」、コロナと共存していきましょう。

befor コロナで企業が目指したもの

beforコロナ、「新自由経済」、「自己責任」、「規制緩和」がもてはやされた時代でした。

利益を上げたものが、勝ち。

企業は、このルールを目指してゲームを続けてきました。

だから、手元の資本を有効に使って、最大利益を上げるか?

その一点で、勝敗が決まり、負け組・勝ち組、幸せ・不幸せが決まる世界でした。

そのルールや価値観にほころびが出てきており、

貧富の差の拡大や、地球規模の環境破壊が深刻になり

SDGsといった世界の共通ゴールの設定など、

行き過ぎたルールを変えようというムードが醸し出されつつあります。

皆の価値観も少し変わってきました。

この、コロナショックで一気に方向転換が図られるはずです。

ここからが、本題になります。では、どうやて変化に対応するか?

with コロナの処方箋

国・政府は、変化によるパニックを防ぐ対処療法を取らなければなりません。

まずは、医療崩壊を防ぐ。

①医療体制維持、ワクチン開発

続いて、全ての人・企業を救う処方が必要です。

国の信用のもと財政支出を惜しみなく使って、皆の生活を支えることが第一です。

②事業・生活の維持

③雇用維持

次のステップは、afterコロナを見据えた、

④経済活動の再構築

このためには、GDPの20%程度(日本では100兆円超クラス)を使ってでも、支えることが必要です。

その意味では、世界の先進国は一斉に、お金の流動化策を発動して

経済が動かなくても、生活できる・継続できるような状態を作る努力をしています。

返さなくていいお金、給付金としてお金を配る施策です。

日本で言えば、個人に対する「10万円の定額給付金」と企業・事業主に対する「持続化給付金」です。

金額は十分ではありませんが、広くお金が行き渡る効果があります。

収入が止まっている人は一息つけるでしょうし、それほど困っていない人にとっては

どんどん使って経済を回す、需要喚起を引き起こす意味があります。

第2段、第3段と続けるべきか?どこで政策転換するか?

出口戦略に対しては難しい問題がありますが、当面の処置として評価できます。

どのくらいの期間 withコロナか?

出口をどこにするか?非常事態宣言で経済が止まってから2ヶ月、大きなトラブルなく、

当面の流行第1波をやり過ごし、自粛も解除され、経済も少しずつ回ってきました。

withコロナはいつまで続くのか?

ワクチンが開発されて、十分な量が供給されるようになれば、

インフルエンザと同等な付き合い方ができます。そこまでが目安です。

エイズのようにワクチン開発に至らない可能性もありますが、

2年から3年のスパンで「withコロナ」するのでは?と予想します。

with コロナの過ごし方

ワクチンが開発されたとして、beforeコロナの世界に戻るとは考えられません。

知らなくていいことを知ってしまった感じがあります。

例えば、

①都会で暮らす意味は?都会から地方へ→集中から分散へ

②出社して働く意味は?雇われない働き方もある→働く意味を考える

④IT化せざるをえない、効率化→余る時間は「余暇」へ→どうやって遊ぶか?

⑤監視される社会に生きている→正直な生き方、競争から協調へ

変わってしまう次の社会を予測して、

ライフスタイルやビジネスモデルを再構築した人が、

謳歌できる社会がやってきます。

次回は、持続化給付金の手続きについて解説します。

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